2017年04月18日

寮修繕覚書の取り交わし

3月29日:
本日、フィリピン国立盲学校の寮修繕について、盲学校側とフリー・ザ・チルドレン・ジャパンとの間で契約が取り交わされるのを、ちゃんと教育省は把握してますよ、万が一工事の際に法的トラブルなどが起きたら最終責任は教育省が取りますよ…などの内容を含む覚書を取りかわしました。
もっと正しく言えば、適切なタイミングでちゃんと修繕資金を寄付する責任は当団体に、修繕工事に必要な手続きを円滑に進める責任は盲学校に、そして法的トラブルなどが起きた際の責任は教育省にある…など、各パートにおける各自の役割を明記したものです。
これでいよいよ寮修繕の手続きが物理的にスタートします!

朝6時に家を出て盲学校に向かい、校長室で最終確認のミーティングをしてからいざ教育省へ。ってちょっと待って?なんで私と校長先生と立会人以外に、盲学校の会計担当から総務の人から、果ては前の校長先生で今は政府との中立のポジションに上がってる人までぞろぞろ付いてくるの?なにこの野次馬ののり?とフィリピンのシステムが分かってない私の頭には疑問だらけです。
 わけが分からないまま教育省の待合室に通され、さっきまで遠足ののりだった先生方がかしこまった雰囲気に変わります。周囲がタガログ語でしゃべるので状況を3分の1も理解できてない私でもここがどういう場なのかを思い知ります。重々しく校長先生の名前が呼ばれ、今度こそみんな本気で緊張しながら奥の教育長室に入ります。
法律的な内容を含むので、弁護士が立会、その他私には肩書きが分からない政府官僚が数人。自分以外立場ある方々の中かしこまった雰囲気にただただ小さくなる私。そうしたら1番奥にいらした教育長さんが、「由香理、久しぶりね」と声をかけてくださいました。
え、なんでなんで私こんなところで名前知られてる?そして失礼ながら私はこの教育長さんのお名前を…ってかどこでお会いしたんでしたっけ?なぁんて言えるわけもなく。あとで話の流れから、1月の総理夫人ご訪問の際、この教育長さんもその場にいらしたことが分かりました。
 ここからは真剣です、教育長さんが覚書を読み上げ、各パートの責任者と本人がそれを把握し同意しているかを確認していきます。

ところでこのエピソードにはまたしても「さすがフィリピン」と思ったおちが!フィリピン人は真面目すぎるかしこまった雰囲気をあまり好みません。煮詰まってしまうような雰囲気になると「とりあえずおやつでも食べようか」となります。
先ほど教育長さんが最年少で小さくなってる私に親しげに声をかけてくださったのも、張り詰めた雰囲気の回避と、彼女への敷居を低くするたねです。
さて覚書の内容確認の重々しいやりとりが一段落したところで教育長さん一言、
「っというわけでおやつにしましょうか!」!!…ま、まじか、この状況下でもそうくるのか!

 おやつは訪問させていただく側が持っていくのか、受け入れる側が用意するのか、なんだか時と場合や立場に応じて暗黙のマナーみたいなのがあるようで、私はいまだにその辺の常識が分からないのですが、今回は盲学校側が持ってきてました。
学校の調理員さんが作ったおやつを出し、みんなでテーブルを囲みながら教育長さんが、「これとてもおいしいわ、あなたたちの学校は腕のいい調理員さんを置いて子どもたちにおいしい食事を振舞ってるのね」と褒めるのが、たぶんこの国のビジネスマナーなのでしょう。
posted by Yukari at 15:51| Comment(0) | 日記

2017年04月12日

マニラ盲人教会での礼拝(動画付き)

3月26日:
マニラ盲人教会の礼拝にお邪魔しました。映像は礼拝中に後方からこっそり撮ったものなので画像はたんに人々の後ろ姿だったりすると思いますがこの音声をお伝えしたいのです。
けっしていい楽器を使っていない、歌が特別うまいわけでもマイクの音質がいいわけでもない、でも背景を知ってるわたしとしてはこの教会でのバンド演奏にどんなプロより心を動かされます。フィリピンの視覚障害者に人生かけると、気持ちを新たにする場所なんです。
 この教会に集まる人のほとんどが、視覚障害を理由に家族から見放された人たちです。唯一味方して面倒を見てくれていたお母さんが亡くなった、目が見えなくなったら幼子3人残してご主人に逃げられた、一家の大黒柱だったのに失明して働けなくなったら子供達に捨てられた…
彼らのバックグラウンドは様々ですが、裏切りと存在否定に傷ついて、まったく笑顔が出ない人もいます。

 そんな視覚障害者たちの社会参加に人生をかける視覚障害者たちがいます。大学まで出て職についている一部の人たちが自身も最低限の生活だけをしながら稼ぎを教会に集まる人たちの食費にまわし、ボランティアで歌や楽器演奏の指導をします。
能力がないんじゃない、ほら礼拝にて演奏だってできる、みんながあなたのリードを必要としてる、声に出して歌って見ていい、みんな受け入れてくれる。これは自信回復プログラムなんです。
 礼拝に出席するうちに最初はまったく笑わなかった人に笑顔が戻ったり、挙動不審で自分は世の中の邪魔者だと思ってた人が半年後にはバンドのパートマスターになってたりします。
私が学生時代、同じく自信回復プログラムとして折り紙を教えていたのがここです。

私が初心に帰る場所、いつも突然現れる外国人の私を、暖かく受け入れてくれてありがとう。ここで世話役を続ける視覚障害者たちの生き様を、私も少しでも見習っていきます。
※ 動画はこちらからご覧いただけます。私のフェイスブックページの3月26日の投稿です。
https://www.facebook.com/yukari.ishida.75457
posted by Yukari at 16:15| Comment(0) | 日記

さすがフィリピンと思わされたエピソード

3月25日:
聞いてください、さすがフィリピンと思わされたエピソードの数々!ステイしている家からパートナー先であるフィリピン国立盲学校まで距離としては18キロくらいしかないんですけれど、交通アクセスがよくないのでスムーズに行っても片道1時間半はかかるんです。
まずは家から気温35度の中を10分歩いて、そこから駅に向かうジープニーと呼ばれる乗り合いジープに乗るのですが、なんと途中でジープニー壊れて動かなくなる!!
まあね、これくらいじゃまだ驚きません、こんなのときどき起きるんです。道路の真ん中で降ろされて、近くにいたジープニーにお客さんみんな乗り換えます。もう1度運賃払わなきゃいけないのかなって思ったのですが、駅まであともうちょっとだったのと運転手さん同士で状況を話してくれたのか乗り換えた先のジープニーの運転手さんは運賃をとりませんでした、優しい!

 最寄駅み到着。ここから電車に乗るのですが、普段なら4分間隔くらいで来る電車が10分くらい待っても来なくて、基本的に各駅しかないのに、ようやく来た電車は私たちが待ってる駅を通過!
「え、なんでだろ?」と言ったら隣のガイドが、「たぶんこの先どこかの駅がものすごく混んでるんじゃないかな」と。
まあフィリピンにて駅員さんと運転手さんがそこまで緊密にコミュニケーション取ってるとは思えないのでたぶん何かのミスなのですが、電車が停止線を数メートル行き過ぎただけでニュースになってしまう日本とは違ってフィリピンは寛大です。
 さて待つこと15分、次の電車は無事止まってくれました。車内はかなり混んでたのですが、わたしが座席前のつり革を持ってたら、誰かが無言で立ち上がって、わたしの腕を持って自身が座ってた隙間に引っ引っ張り込んでくれました、ありがとう。
ちなみにフィリピンの乗り物は座席に一人分のスペースが決まってるわけではなく、その隙間に入るだけ何人でも座ります!
 電車の冷房で快適なのもつかの間、2駅行ったところで今度は電車が動かなくなるの巻き!!駅に停車したまま10分以上動かなくて、車内放送による説明なんてしばらく行われないのが普通です!わたしはといえば、これ面白いから日本のみなさんに報告しなきゃいけないと思って、思わずフィリピン人たちが何分説明なしに寛大に待つか測りましたよ^_^
 25分待ったところで電車が壊れたから運転を見合わせるとの放送。南へ向かう路線はこれしかないので諦めてバスを使うことになります。払い戻しを希望する人で精算機はごったがい!するとなんと!今度は精算機が壊れたぁ!!
 いやぁ私たちコントの中にいるのかな?けっきょく払い戻ししてもらえず外へ。

 バスに乗るときわたしの杖を見て、運転手さんが中からたくましい手で引っ張り上げてくれました。この人たちお客さん乗せる時ちゃんと停車しないので、バスは観覧車みたいに若干動いてるんですよ。
それにしても今わたし、バスの階段3段文くらい宙に浮いたぞ!手荒いよぉお兄さん!とりあえず、引っ張り上げてくれてありがと!!
さてバスはとにかく壊れなかった、電車で行くはずだった終着駅で降りて、最後の盲学校の前を通るジープニーに乗り換えます。これまた私たちが乗るときもあまり長くは停車しててくれないのですが、わたしを見た路上で物売ってるおばちゃんが運転手さんに、
「ハンサムなお兄さん、目の見えない子どもが乗るからちょっと待っててあげてよぉ」って声かけてくれました。今子どもって言ったな?とにかく、ありがとう!
 タガログ語ちょっとでもわかるようになると、こういう周囲の優しさに気づけるようになります。いろんな意味でさすが途上国と実感する一方で、それを笑い飛ばす彼らの器の大きさと優しさ、そして思わず時計を見る自分の小ささを知ります。
今日もたくさん優しさに触れていいことあった、ありがとうハート
posted by Yukari at 16:07| Comment(0) | 日記