2016年05月12日

フィリピンの副大統領選挙が気になる

5月12日:

 本題に入る前に今日のちょっと嬉しかったできごと。今日は事務所出勤だったのですが、勤務を終えて帰り道、午後7時過ぎ、乗り換えの駅にて。
50代くらいの助成が声をかけてくれ、ホームで一緒に電車を待っていたのですが、「お仕事帰りですか?」って聞かれました。え、それがどうしたって?
そりゃ皆さんにはあたりまえのことかも知れませんが。…よかった、社会人に見られたっていうのが私には奇跡的で嬉しいわけです。たいてい大学生、うっかりすると普通に高校生に間違えられますからね。
うちの団体、FTCJは「子どもによる子どもの支援」がコンセプトなので、日本の中高生を相手にイベントを行うことが多いですが、5月初旬のキャンプにおいても、中学3年生の子に「ねえ、何ちゃん?」と話しかけられてしまった私。
たぶんスタッフのほうだとは思ってなくて、中高生の参加者側のほうだと思われたに違いありません。でもさすがに自分より先輩だとは思ったのか、「あ、タメ語ですみません、ってか何歳ですか?」って聞かれたんですけれど…、答えられません、高校生に間違えられた後では、あなたより一回り年上だよだなんて。

 さて本題に入りましょう。日本はアメリカの大統領選には興味が有っても、フィリピンの大統領選にはあまり興味がないらしく、選挙速報を載せてくれているのは私が見つけてる限りでは産経新聞だけなような気がしています。
皆さん今から1.2カ月はフィリピンに行くのはあまりお勧めしません、大統領選挙前後のフィリピンは治安が悪化するからです。不正をしただのしなかっただの、色々と派閥争いが起きたり、主要道路が封鎖されたこともありますからね。
 5月9日に選挙が行われ、まだ最終結果は出ていませんが、開票の途中結果によると、大統領はロドリゴ・ドゥテルテさんと言って、いわゆるフィリピン南部の紛争地辺り出身の人が、ほぼ次の大統領確実になっています。
犯罪者に人権なんていらない、犯罪を犯した者は八つ裂きにしてやる…などと、色々過激な問題発言をしている人なのですが、とにかく犯罪者への取り締まりを厳しくすることでフィリピンの治安を改善するという主張が、たとえ過激であっても今のフィリピンには魅力的に聞こえてしまうようです。
その他、現在のアキノ大統領が後継者として指名した人など、他にももう少し温和な発言をしている人たちがいるのですが…、色々言葉を選んだ主張はインパクトも弱いですね。
ですが、まあ、どの人が大統領になってもあまりいい未来は想像できないらしく、私のホストファミリーなどは、今回の大統領候補たちが1番ひどい、史上最悪の選挙だと言ってます。誰かに期待して投票すると言うよりは、消去法ですね。

 ここまで書いておいて何ですが、私にとっては大統領の選挙はどうでもいいんです。気になるのはそろそろ開票の途中結果が発表され始めてきた副大統領選です。
たぶんフィリピンの国民も、とくに障害者や福祉に携わる者は、副大統領選の結果のほうが気になってるんじゃないかと思います。
 そして早速もめております!!途中結果で負けてる方のフェルディナンド・マルコスさんが、不正の疑いがあると集計作業を中止させて大混乱になってますからね今。まあフィリピンの選挙においては平常運転です(笑)
名字なら皆さんもご存知ではないでしょうか。昔独裁政権を敷いたマルコス大統領の息子さんです。お父さんフィリピンの悪役みたいに言われてるのに、立候補してくる勇気。まあマルコス大統領はちょっと最後調子に乗りすぎただけで、高速道路作ったりなどフィリピンの発展に寄与したことは間違いないんですけどね。
 で?注目したいのが、途中結果では1位になっている、レニ・ロブレドさん。今のアキノ大統領が副大統領に指名した人で、現在僅差で1位なんですけれど。

 彼女は、2012寝んに飛行機事故で亡くなった、ジェシー・ロブレドさんの奥さんです。ジェシーさんも政府のかなり上の立場にいたのですが、彼のお父さんは全盲、さらにジェシーさんは5人兄弟なのですがその内3人が視覚障害者です。
1番上のお姉さんは健常者で、アメリカにおいて障害者へのリハビリテーションのお医者さんしてます。2番目と3番目が全盲、4番目がジェシーさん、そして5番目が弱視で、この人もフィリピンにおいて障害児へのリハビリテーションのお医者さんです。
このブログを2012寝んのころから見てくださってる人は覚えているでしょうか、2012寝んの12月に、私がナガという地方へ行ったことを。ここはロブレドさんの出身地で、ロブレド・ファミリーからの資金援助によって、地方なのにナガの福祉は首都圏に負けないくらい整ってます。
ジェシーさんの全盲のお父さんが、昔ナガの市長だったことや、今でもジェシーさんのお姉さん、お兄さんに当たる全盲の二人が、視覚障害者の教育支援をする団体を立ち上げていて…。フィリピンで唯一アメリカの力を借りずに視覚障害児教育が行われている地域だと言っても過言ではないです。
 もしジェシーさんが生きていたら、フィリピンの福祉を変えてくれたんじゃないか、ジェシーさんなら障害者の声を政府に届けてくれたんじゃないかって、フィリピンの視覚障害者たちは思ってます。
親族に障害者がいることは公表していなかったようで一般の人達は知りませんが、それでも私のホストマザーや周囲のフィリピン人たちは、ジェシーさんだけは他の政治家とは違う、本当にいい人だった、国民側に立ってくれる人だったとみんな大好きです。だからこそ今でも、彼の死は事故ではなく計画的だったのではないかと言われてます。

 あくまで奥さんなので、そんなロブレド家と血がつながっているわけではありませんが、今回そのジェシーさんの奥さんが副大統領になる可能性があるわけです。もうフィリピンの視覚障害者としては大興奮ですって。
奥さんならば、少なくともジェシーさんの兄弟やお父さんなどの視覚障害者たちに直接会ったことがあるはずです、関わったことがあるはずです。ロブレド・ファミリーの出身地であるナガに行ったことがあるはずです、そこの福祉状況を見たことがあるはずです。
お願い、ずっと後回しにされる福祉関連の問題の優先順位上げてほしい、政府の幹部で、障害者の状況直接知ってるのは…、きっと彼女だけでしょう。教育を受けてる障害者少ないので、日本以上にエリートに声を届けるのは難しいです。

 ってか、もしジェシーさんの奥さんが副大統領になったら、フィリピンにおける視覚障害児教育促進事業として、フィリピン大学だけじゃなくて、ナガのロブレド・ファミリーが立ち上げた団体と組んでプロジェクトやることも一つの手かなとちょっと思ってる私です。
ロブレド・ファミリーの3人の視覚障害者たちには全員3年半前に会ったことが合って、2番目であるお姉さんや5番目の妹さんとは寝んに数回メールのやりとりをしているので、協力関係を結ぶことは可能だと思います。
そのまま1位をキープしてほしい、ジェシーさんの奥さんが副大統領に無事選ばれることを…、フィリピンの視覚障害者たちと共に祈ってます。
posted by Yukari at 23:06| Comment(0) | 日記

2016年05月11日

2度目救い出してくれそうな感謝(後半)

5月6日から11日:

 エピソード四つ目。FTCJでは5月3日から5日のゴールデンウィーク、テイク・アクション・キャンプというイベントを屋内で行っていました。参加者は小学生から大学生で、途上国の子どもたちの状況をビデオで見たりゲストの話しを聞いたり、ゲームを通して貧困とは何かを実感したりしたうえで、
じゃあ自分の特技をいかして何か国際協力に貢献できないかという内容を考えてプランを作って実行に繋げていく…というキャンプです。
スタッフが交代で担当しているのですが、私のように1日だけサポートで入った人と、中には三日間参加者と一緒にずっと泊まり込んでるスタッフもいます。
運悪く、私が担当だった5月4日は台風みたいな雨と風で、朝から中央線一時運転見合わせてたりなどなど、最寄駅まで行くのにも本気で飛ばされそうな風ですし、それはそれは大変な思いをしながら30分以上余裕見て出勤したんですけれど。
現地に着いたら、翌日から泊まり込んでた代表者から「由香理、天気悪い中来てくれてありがとう」と言っていただき…。まあお仕事なので天気が何であれ行くのは当たり前なのに、出勤したそれだけで「ありがとう」と言われる不思議。これも去年じゃありえない。

エピソード五つ目。団体では情報やファイルの共有にセールス・フォースというサイトを使っているのですが、これが私が持っている視覚障害者向けのインターネット・ブラウザ(ネットリーダー)に完全には対応していないようです。
相手からのチャットのメッセージは読めますし、自分も返信のため文字入力まではできるんですけれど、最後の投稿ボタンがテキスト文字じゃなくて画像文字になっているらしく、したがって音声ではその投稿ボタンを読まないので、投稿ができないんです。同じくファイルのアップロードも、ファイル選択まではできますが、最後のアップロードボタンが押せません。
ただしこれが団体内で仕事に必須のサイトなので、セールス・フォースが使えないのは大問題で。何がいけないんだろう、何が原因で最後の投稿ボタンを押せないんだろうと、総務担当の先輩スタッフも自分の仕事後回しで、私が使ってるブラウザについて調べたりなどしながら改善策を考えてくれて。
まだ解決はしていないのですが、情報共有から乗り遅れそうな私のために、みんなチャターでメッセージを上げる時はかならず私にメンションして私のところにメッセージがメールで届くようにしてくれたり、私が共有したい情報は、事務局にメールすれば誰かが代わりに投稿してくれてます。
入社した時事務局長が、「うちほど互いに支え合おうっていう団体は他にないよ」とおっしゃってたのですが、本当にそうだと思います。できないことをできないって言っていい、みんながどうやってカバーするか、さりげなく考えてくれる温かさに、ここ1年塗り固めてきた鍍金が少しずつ剥がれて行く気がしてます。

 これらのエピソードを他の人に話すと、それが普通だと言われるのですが…、とにかく私にとってはこれまでと違う感動エピソードなんです。
 おかげさまで、出勤がとにかく苦痛だった、オフィスというその雰囲気がトラウマな感じで、私もう外で働くのだめなんじゃないかと思いかけていた…、そういう拒否反応はFTCJの同僚たちによって少しずつ治ってきている気がします。
ミーティングなどはなるべく何も発言しない癖がついているのですが。それも、現在の事務局長などが気にして「由香理、発言していいよ」などと言ってくださるのですが。少しずつ少しずつ、ミーティングにおいて自分を出していいんだという気がしてきました。
何かあったら自分が悪いことになるから…、よけいなこと言わないように、よけいなことしないように、とにかく自分の業務だけ黙々と確実にこなすのが安全…、オフィスで誰かとしゃべったらその答えに傷つくから…、そうやって人々の中にいながら一人だった半年以上。色々学んだその組織での「常識」。
 そうやって冷たく凍って固まったものを、みんなの温かさが少しずつ少しずつ溶かしてくれていて、ようやく氷の中から少しずつ私が出てくる気がします。

 FTCJには、最初のフィリピンへのスタディーツアーの時、つまり6年前にものすごく助けられてます。私の人生の転換点と言ってもいい…、みんなが思ってるほど私は邪魔じゃないんだ、できることがあるんだってスタディーツアーを通して教えてくれた団体。
そして今、2度目に救われようとしています。私の地からをちゃんと発揮できる業務をもらえるので、少しずつ自信も回復しますし、私にもできることあるんだって、再び教えられている気がします。
posted by Yukari at 10:30| Comment(0) | 日記

2度目救い出してくれそうな感謝(前半)

5月6日〜11日:

 何だか最近後輩たちから慰められたり心配されたりするんですけど何なのでしょう?大学時代の後輩どころか、その中には元家庭教師先の生徒などもいたりして…、いやー先輩こういう安定しない感じでごめんなさい。
でも何か、後輩たちからご飯などに誘ってもらえて感謝です。自分がこうしてここ2カ月くらい色々調子悪いので、さすがにこんな見苦しい姿はと多くの人達に直接には会っていなかったのですが…、そうやって元気に見せかけるのにも疲れたと言いますか、隠し通せなくなったと言いますか。
3月に会っていただいた先輩から「スーパー・スターにはならないでね」って言われましたし、私も…、自分が尊敬する先輩方って、上にこびる人と言うよりは下を大事にする人たち…だと思っているので、近づきにくい先輩にだけはなりたくなくて。
そういう意味で、まだ後輩たちから食事に誘ってもらえること、連絡来ること、とっても感謝です。

 あと30分くらいで私の勤務時間が始まるのですが、いずれにせよ自宅勤務です。これは、所持金不足の現在の状況に合わせて交わされた雇用契約なんですけれど。月に120時間(週4弱)働けばいつ働いてもいいです、交通費節約のため基本は自宅勤務、週に1回だけ事事務局に顔出してください…と。
まあフルタイムで事務局勤務の交通費も払いながら私を雇うと所持金すぐに使い果たしてしまうので…、頑張って資金調達しましょう、自分の雇用のために(笑笑)。
ただし、週4弱の給料で、そこからさらに健康保険自己負担となると、さすがに生活苦しいのはみんな分かってくれてるので、「その代わり副業してもいいです」という契約になってます。したがって来週辺りから家庭教師のバイトなど始めますが団体公認です。
あ、もし英語や国語辺りで都内で家庭教師をお探しの方がいらっしゃいましたら、私が喜んで引き受けます!!その他私ができそうなアルバイトであれば…、何しろ副業しないと生活していけないので、ぜひ情報いただけると嬉しいです。毎月の雑誌への連載記事執筆など、地道にお小遣い稼いでます(笑)

 現在の所属団体であるフリー・ザ・チルドレン・ジャパンに移動してから、幾つか感動的なエピソードに出会いました。それを感動的だと思って周囲に話すと、「いや、それが普通だよ」って言われるんですけれど。
 エピソード一つ目。先月新しい名刺をいただいて、とってもきれいな名刺だったので喜んで配ってたわけですが…。ある視覚障害者関連団体の方から後日、「ちょうだいしたお名刺の由香理の「り」の字が間違っていますよ」と指摘を受けました!!
え、本当に??まさかの事実、私の名前の漢字は「由香理」つまり理化のりなんですけれど、よく起きる間違いで、里のりになってたんです。これまでにも知り合いには名刺を配っていたのですが、たぶんみんな、まさか名刺の名前が間違ってるとは思わないから、誰も気づかなかったっていう。
そして、普通文字のほうの漢字が間違ってることは私自身では気づけないですね。そうとも知らずに名前間違ってる名刺配ってたのはかなり恥ずかしい…。これ、大企業ならものすごく重要な問題なのかも知れませんが、NGOはまあ、「ああ、やっちゃった、直さなきゃ」くらいの話しです。

 さすがに名前の漢字違うのはまずいので団体側に発注しなおしてもらうわけですが。これ、以前の団体だったら、間違いに気付かなかったのは私が悪いんです。たとえ自分で普通文字を読めなかろうが、名刺の印刷に出す前に全てを確認しなかった、名刺を渡された時に確認して指摘しなかった私がとにかく悪いことになります。
その感覚があるので「すぐに気づかず申し訳ありません。200枚も印刷していただいたのに大変恐縮なのですが…」と現在の団体に恐る恐る新しい名刺がほしいとお願いしたところ、
「由香理さん、すみません。すぐ修正して来週には新しい名刺を渡せるようにします」と逆に名刺発注を担当していた先輩から謝られてしまった不思議。
確かに団体側のミスなような気もするのですが…、とにかく去年は絶対この状況だと私が悪いことになってたので…、私にはすごく不思議で、自分がまったく責められない、そして翌週本当にすぐ新しい名刺をいただけたことに感動したんです。

 エピソード二つ目。ご存知のとおり、一人暮らしの物件を探してた私なわけですが。代表者が「私もちょっと聞いておくね」と言ってくださってたの、まあ社交辞令だろうと思ってました。
ある朝、代表者から電話かかってきて、取ってみたら。「由香理、物件あったよ!」!え?本当に探してくれてたんですか?知り合いの不動産会社などに訪ねて、オーナーさんが全盲の一人暮らしをOKって言ってくれる物件を、代表者も本当に探してくれてたんです。
 エピソード三つ目。ようやく物件が決まった私。色々荷物を置かせていただいている知り合いのお宅から家具など引き取らなければいけないので、相手先の都合もあって引越しは土日なんですけれど。
物件が決まったというのは同僚みんな安心してくれて、そして事務局長から「引越しいつ?」と聞かれ。日にちを答えると、「土日かあ、残念。平日だったら手伝えたのに」。
え、予定あいてる日だったら引越し手伝ってくださるつもりだった事務局長…、もう周囲の優しさとこの団体のアットホーム差は私の想像を超えてます。
posted by Yukari at 10:03| Comment(0) | 日記