2016年02月08日

お手伝いさんやガイドを雇う資格

2月7日:

 今日は、私やICANでインターンをしている大学生など含め、女子5人、とあるジャパニーズ・カフェに集まります。2週間くらい前にも、フィリピンに留学に来たばかりの大学生などと一緒にご飯食べましたよね?
それの続きと言いますか、今日の目的は、私がこの大学生たちを、一人の日本人女性に紹介して繋ぐためです。
フィリピン人と結婚して、フィリピンに30年以上住んでいる女性で、留学にくる日本人学生たちの面倒をとてもよく見てくださいます。各自の興味に合わせて、インターンできるNGOや話しを聞きに行ってみるべき人などを紹介してくれたり、彼女の家では学生の論文の資料になりそうな新聞記事などを10年分くらい取ってあるので、そういうのを閲覧させてくれたり。
日本の食品や日用品が買えるお店を教えてくれたり、たまに家に招いて焼肉やお好み焼きなどの日本の料理を食べさせてくれたり、フィリピンで正式な場に呼ばれた時にどんな格好して行けばいいかなどを教えてくれたり。
私は、大学3年で3度目にフィリピンに来て2週間滞在していた時に、その時面倒を見てくれていた現地NGOの職員から、「私の友だちに日本人女性がいいるから紹介するわ」と、その人と繋いでもらって、その後の1年間の留学時代にはずいぶんお世話になりました、卒論の資料集め含めて。
その時は、フィリピンに滞在する時携帯電話ってどんな物買ったらいいんですか、フィリピンの虫除けは何を買えばいいんですか、観光ビザってどうやって更新するんですか…と、ひたすら教えてもらってたわけですが。

 それから4年。これでも一応、フィリピンで働いてる社会人の一人になり、気付いたら大学生たちから、フィリピンでやってみたいことや興味を相談されて、こういうことができる団体知りませんかとか、こういう情報を得るにはどこに行けばいいですかとか聞かれて、情報を提供するほうの立場に少しずつなってきています。
私で答えられることもあるんですけれど、私が知ってるのって教育分野だけで、中には観光に興味が有って日本人がフィリピンを体感できるようなツアーを企画してみたいと言う学生や、音楽に興味あってストリートチルドレンたちが廃品から学期を作れたらなどと言う学生などなどまでいて、まあ私の分野外で手におえないわけです。
それでけっきょく、あの日本人女性にみんなを紹介するのが1番だと思って、連絡して時間を取っていただき、ジャパニーズ・カフェに、大学生4人と私とその女性が集まっていたのでした。

 各自が興味や卒論のテーマややりたいことなどを話して、それに合う団体や情報などをその女性が答えて行くのですが、その合間にときどき話しがそれることもあります。その一つが、「フィリピンではどうして女性が社会進出できているのか」のトピックでした。
以前も学会の時に、日本から来ている研究者は男性ばかりですが、フィリピン側の参加者はむしろ女性のほうが多かったと書きましたよね?大学教授に女性は沢山いますし、銀行の店長が女性だったり、企業の代表者が女性だったりと、ジェンダーでの平等さは世界で10位以内に入ります。
その理由が、フィリピンに文化として根付いている、お手伝いさんやベビーシッターを雇う習慣です。家事や子供の世話はお手伝いさんがやってくれてるので、女性も家庭のことを心配せずに働けるんですね。
フィリピンでは、上5パーセントの富裕層が、フィリピンのお金の80パーセントを所有していると言われています。それくらい、上5パーセントは意味不明なレベルのお金持ちです。そして、ピン霧ですがいわゆる中間層が30%ちょっといて、貧困層と呼ばれる人たちが6割前後います。
それで、中流階級以上の人達でマニラ首都圏に住んでいるならば、たいていの家に住み込みあるいは通いでお手伝いさんがいます。もうちょっとお金持ちならば警備員とドライバーもさらに雇っていて、もっとお金持ちならばお手伝いさんが二人、ペットの世話係が一人…とか色々雇ってます。
 そうやってお手伝いさんとして住み込みで働きに来てる人たちは、例外もありますが大ざっぱに2種類。子どもを育て終えて時間ができた年配女性、あるいは田舎の貧しい家の長女で、自分が稼いで田舎の両親や幼い兄弟たちにお金を送らなければいけないお姉ちゃんたちです。

 ただし、外国人の多くが勘違いしていて、今回の日本人大学生たちも勘違いしていたのが、お手伝いさんと言うと、日本の「メイド」みたいなイメージあって、家庭内奴隷と言うか、同等な扱いは受けてない、精神的にも肉体的にも非常につらい仕事っていうイメージあるんですね。
確かに、一部の日本人や中国人や韓国人の家で雇われているお手伝いさんの中には、奴隷扱いされてて、食事も同じテーブルでは食べさせてもらえないという人達もいます。駐在員の奥さんたちのストレスの1番の原因が、家に余所者のフィリピン人が住みこんでいること、そのお手伝いさんとの関係…らしいです。
 でもたいていの場合、フィリピン人の富裕層たちはお手伝いさんなど使用人をとても大事にしています。うちの家でもお手伝いさんも一緒に食卓を囲みますし、体調が悪そうな時に無理に仕事は頼みませんし、場合によっては、雇っている家が学費を出してあげてお手伝いさんに高校卒業の資格までは取れるように資金援助をしてあげてることさえあります。
なぜか、その理由は、お手伝いさんをいじめたら、わが子の命が危ないからです。自分が仕事で出かけてる間、子どもの面倒任せてるんですもん。まあフィリピン人は虐待するようなことはしませんが、それにしても料理も掃除も子供の世話も手抜き……ってやられると、困るの自分たちですからね。
 フィリピン人は、いじめられてもあまり「仕返し」はしません、ただしやっぱり、すぐにやめていきます。私が12月からガイドがいなくて困ってる…、これも任せてる責任が大きいのに、それに相当する料金をNGOが払えないからですね。

 本当の富裕層たちは、ちゃんと給料を支払うだけじゃなくて、お昼ご飯は家にある物を好きに使って何でも自由に食べていいよとか、ドライバーさんにお昼ご飯はおごってあげるとかするんです、上述したように、学費援助をしてあげる場合さえあるんです。
だからこそ、ご主人と言うか、雇ってくれてる家の人達のために働こう、誠実に任務を行おうって思うんですよ。家の主人とお手伝いさんと言うと、何だかものすごく上下関係があるような気がしますが、人の上に立つのなら、尊敬される、感謝されるべき人でいなければいけない…、その暗黙のルールがこの国にはあります。
本当だったら私も、ガイドを雇うような立場なら、お昼ご飯くらいおごるのが常識ですし、「もう暗いから帰りはタクシーで帰っていいよ、タクシー代出してあげるから」くらい言えるほどの立場じゃないと、この国でガイドを雇う資格がないと言っても過言ではないんですね。
ところが、残念ながら自分の生活に精いっぱいなNGO職員の給料です。さらに、給料は最低賃金ぎりぎり、私の家に来るまでの往復通勤費は出ない、お昼ご飯出ない…となると、それはガイドやめるに決まってるんです。法律違反ではないんですけれど、暗黙のルール違反ですもん。
 今年度は、それでも色々団体に掛け合って、給料の金額など少しは改善した物の、お昼ご飯のお金などは出ないままで。来年度の事業計画書や予算案を書いてるんですけれど、どうにかガイドのお昼ご飯代くらい出せるように予算取らないと、そのためには…私の給料減らすしかないか…?などと色々計算してる私です。
 お手伝いさんやガイドを雇うには、暗黙の資格がある。上に立つならば、そうあるべき人にならなきゃいけない…、感謝はかならず誠実さで返してくれる国なんです。
posted by Yukari at 22:47| Comment(0) | 日記