2015年12月05日

なんでこんなに格差があるんでしょ?

12月5日:
 朝から、フィリピン大学に通う友達が、グループワークのインタビューにやってきました。何やら、文化交流の授業の期末課題で、フィリピンで働く外国人が、フィリピンでどんな経験をしているかをインタビューすることになってるようです。
ここの家、いわゆるとってもお金持ちで、3人姉妹が全員大学まで行ってるのは当たり前、年に数回海外旅行を楽しみ、子どもたちは外出の際車で送り迎えなので、大学に入るまで公共交通手段を利用したことがなかった…というようなお嬢様です。
彼女の家に遊びに行った友達の話しに寄れば、家にテレビが4代あったとか、お母さんは働く必要がないので、趣味で修士課程に在籍してました。フィリピン人が貧しいというのは確かにそういう人が7割以上ですが、こういう意味不明なお金持ちもいます。
 そして今日も、相変わらずお父さんに車で送り迎えしてもらって私の家に現れた彼女。ちなみにこの家族は、フィリピン人ですが家での会話はタガログ語ではなくて英語です。英語はいわゆる私立学校や政府官僚が使うお金持ちの言語…、まあそれが日常会話で使われてる家です。
いいえ、けっして悪い人たちではない、むしろとっても謙虚なそして自分たちがお金持ちであることをあまり世間に見せない人たちなんですよ。でも、ところどころ彼らがそれが特別だとは知らずに無意識にやってる行動が、普通じゃ無いんです。
 たとえば今日も、インタビューのお礼としていかにもあたりまえにうちの家に置いて行った、袋いっぱいのフルーツ。スイカとマンゴーとブドウとランソーネス(ライチのような果物)と…、値段にして約1200円分、日本の物価で言えば6000円分くらいに匹敵するでしょうか。
普通、大学生の期末課題のインタビューに行って、訪問先の家にお礼で6000円分の差し入れをわたしたりしないでしょ?私たち中流階級の感覚から言ってもこの差し入れは普通じゃ無いんですけれど、たぶん彼女の家庭はそこに気づいていません。
 うちのホストファミリーもびっくりです、お客さんを招く時でさえ、果物だけにこんなにお金を使うことはないです。スイカやマンゴーは、日本よりは安いとは言っても、やっぱり果物の中では高価なほうなので、日常的には買いません。

 思い出してください。タクロバンで訪問した視覚障害者夫婦の家を。彼らは切り詰めて切り詰めて、600円で家族4人が1週間生きてましたよね。今回の私の友だち、期末課題のインタビューのお礼として、1200円分の果物を持ってきたわけです。
ある家庭では2週間分の家族の食費が、別の家庭ではちょっとしたお礼の品になる…、この格差。学校に行けない人がいる一方で、専業主婦が暇だから趣味で修士号を取る奥様がいるのです。

 今日の午後、大学院まで出て働いている弱視の友だちからテキストメッセージが来て、来週の土曜日のクリスマスパーティーに誘われました。ここに集まるのは、たいていみんな大学まで出ていて就職している、いわゆるフィリピンのトップ0.1パーセントくらいに入るスペシャルな視覚障害者たちです。
日本以上に、お金を持ってるかどうかが、障害者が学校に行けるか、就職できるかに直結している国です。こうして誘ってくれた友達も、私立のフィリピンで2番目に学費が高い大学と院を出て、弟は弁護士…とかですからね。
クリスマス会でプレゼント交換をするから、男女や年齢関係なく誰に当たってもいい300円程度のプレゼントを持って来てと言われました。でもこれも、ホストファミリーに相談したところ、参加者が大学出で就職しているようなメンバーの場合、300円なんて上辺上の数字に過ぎないようです。
本当は1000円前後、最大で1500円ほどで、本当に300円のプレゼントを持って行ったら、別に何も言われないけど恥ずかしい思いをするよと言われました。一部の視覚障害者が600円で1週間生きる中、また別の視覚障害者たちは1000円以上のプレゼント交換を含んだクリスマスパーティーを開くんですよ。
 この格差は何なんでしょうね?格差がありすぎて頭がくらくらするんです。日本でももちろん、年収何千万という人から、私のようにバイト程度の給料で生きてる人までいます。でも、さすがにフィリピンほどじゃないと思うんです。
クリスマスのプレゼント交換、もし30人が各自1000円程度のプレゼントを持ち寄るとしたら…、3万円。そのお金あれば、1週間600円で暮らしてるあの家族は、50日生き延びられるんですよ。クリスマスパーティーのごちそうと参加者の交通費と…、たぶん私たちは来週末、タクロバンの家族の1年分の生活費を1日で使います。
きれいごとを言うつもりはなくて、ある程度仕方がない、これがフィリピンなんですけれど…。来週のそのクリスマスパーティー一つなくしてその経費を他にあてれば、フィリピン大学に通う友達も、奥さんが趣味で修士号取るお金があったらそれをちょっと他に費やしてくれれば…と、複雑な気分になります。

 私は明日の朝、またマニラ盲人教会に行きます。今日インタビューに来た友達が持って来てくれたフルーツの中で、マンゴーやブドウなど持ち歩くとつぶれてしまいそうなフルーツはうちの家で食べるしかないですが、スイカとランソーネスは、明日持って行って、女子寮と男子寮に置いてきます。
ここの人達も、1日200円以下で暮らしてます。安くてお腹がいっぱいになる食べ物と言えばお米とお肉。お腹いっぱいにならない公立の悪いフルーツなんて、数年食べてないと思います。
富の分配やチャンスの分配は…、どうか平等に行われてほしい。そう思いながら、私自身そこまで毎週差し入れを買う余裕はないので、ただただ配達を担当するのでした。
posted by Yukari at 22:21| Comment(0) | 日記