2015年12月16日

サプライズゲスト

12月14日

 あの、突然のお知らせですが、12月22日の午後から1月2日の朝までは日本にいます。ちょっとやらなきゃいけないことや、会うべき人の予定があったり。
あと、うちの家は、ホストファザーは冬休みは修士論文執筆中でこもりっきり、ホストマザーは来年1年間は日本なので帰国準備で年末年始バタバタ、そしてハウスキーパーは実家に帰るので私は外出できない…とっ来てて、フィリピンにいても部屋にいるだけで休み中どこにも行けないというのも冬休みに帰国を決めた理由です。
 えっと大問題がありまして、冬服は何も持ってません。スーツケース一つでイギリスから帰国するために、冬物全部置いてきましたからね。ユニクロのウルトラライトダウンみたいなのだけ、万が一寒い時期に帰国する時のためにと思って持ってきたので、とりあえずコートだけはありますが、冬服も靴下も何もない!
冬物の靴下は無理にしても、この週末にせめて靴下くらい買いに行かないと…。私がこっちで持ってるズボンは全部クロップドパンツでくるぶし丈なので、これで靴下なしで冬の日本に帰国したら死んでしまいます。
現在できる最大限温かい服装が、夏物靴下に夏物のくるぶし丈のズボン、そして上は半袖tシャツの上に7部丈のyシャツとその上から薄手の長袖カーディガン(夏のエアコン除けレベル)を着る…くらいですかね。とりあえずダウンはあるので、空港から宿泊させてくれる友達の家くらいまでならこれでどうにかなりますよね?
翌日大慌てで服買いに行かないと、着る者ないです本当に。とにかくヒートテックがほしいですね。今の日本の気温もよく分からないので、想像できないんですけれど…、あれほど寒いイギリスにいたくせに、体が冬を忘れてしまってます。

 さて、14日の月曜日、この日はフィリピン大学の先生方とお仕事のミーティングでした。ミーティングの日程そのものは、別に14日じゃなくても、前後してもよかったんですけれど、とある理由によりあえてこの日に設定したんです。
来月、フィリピンでアジア比較教育学会が行われ、東アジア、東南アジア、南アジアから300人ほどの研究者が集まります。日本からも50人ほどいらっしゃるらしいです。もちろんその中には、私と知り合いの教育学の先生方もいらっしゃいます。
それで、その学会の打ち合わせのため、14日に日本から二人の先生がフィリピン大学にいらっしゃることになってて、私はこの二人を両方知ってるんです。フィリピン大学の先生と相談して、日本人の先生方がいらした時に、なぜか私が同席しててびっくり…というサプライズを仕掛けようと!!
 二人の日本人教授がいらっしゃることは10月末から知っていたのですが、そして彼らの連絡先も分かってるのですが、あえて私からはこの日まで何も連絡しませんでしたし、フィリピン大学の先生も、私が当日その場にいることをずっと内緒にしてくれてました。
フィリピン大学の先生が空港まで日本人ゲストを迎えに行って、大学まで戻ってくるタクシーの中で、「重体してるから少し送れる」などと私とテキストメッセージのやりとりをしながらも、同乗してる日本人ゲストには私がいることは内緒のまま。
 ホテルにゲストを案内し、荷物を置いて少しゆっくりしてください、もう一人紹介したい人が来るから、30分くらいしたら電話しますとゲストたちに言って、日本人ゲストが各自の部屋に行ってる間に、他の先生とともにオフィスで待機してた私をホテルのロビーに呼びます。

 先生方3人と私、ニヤニヤしながらゲストがロビーに出てくるのを待ちます。空港まで迎えに行った先生がゲストたちに電話し、彼らが2階から下りてきました。
「あれ?石田さんがいるの?」「え?石田さんなんでここに?」私たちの期待以上にものすごくびっくりしてる日本人の先生方二人。もちろん彼らは私がフィリピンで就職したことは知っていますが、まさか学会の打ち合わせをするフィリピン大学の教授陣と、私のほうもお仕事関連で繋がってることまではもちろん知りません。
サプライズが大成功したのを見ながら、フィリピン大学の先生方大爆笑。ええっとですね、この人たち、一応日本でいう東大の教授ですからね。しかも学科長とか学部長とかそういうトップ大学の偉い人たちなんですけれど…、一緒にサプライズを仕掛けてくれるこののどかな感じ。
 もちろん、ちゃんとこの日、メインとなるお仕事の打ち合わせを行われております。そして私は、日本側の主催者ともフィリピン側の主催者とも知り合いなことから、来月の学会もオブザーバーとして学会の場にいさせてもらえることになりました。
posted by Yukari at 22:30| Comment(0) | 日記

2015年12月15日

3年以上錆びついてる恋バナ

12月12日:
 今日は以前から誘われていたクリスマスパーティーです。何だか、首都圏には「弱視会」みたいな集まりがあるようで、今回はその弱視会のクリスマスパーティーでした。
したがって、全員で40人ほどなのですが、全盲は私ともう一人小学校の視覚障害児学級の先生をしてる人だけ、あとは弱視とボランティアの健常者です。ってかこれ、私一人だけ外国人なことより、ほぼ私だけが全盲のことのほうがよっぽどアウェイなんですけれど…。
何て言うか、もちろん例外はいますが、ここフィリピンにおいては視力と学力が比例してしまいます。どうしても弱視のほうが大学まで行けて、知識や会話のレベルも高くて、自由に外出できる確率も高くて…。
たぶんこの国において、全盲会を作っても成り立たないでしょう、ガイドがいないと出歩けないので、「ガイドがドタキャンしたから行けません」「ガイドが遅れてくるから遅刻します」などが続出して定期的なミーティングなんて開けないでしょうし、イベントをアレンジするようなスキルを持ってる人も少ないです。
けっきょく、こうやって何かのイベントを自分たちだけで楽しみたい時、弱視だけが集まってしまうっていう…。私は外国人という治外法権…と言いますか、何かなんで呼ばれてるのかよく分からないんですけれどここにいます。

 さて、そろそろ少しずついろんな人に覚えてもらえるようになってきましたが、若手弱視となると知り合いが少ないです。40人くらいの中で、最初から私が知ってたのは5人くらいでしょうか。しかも私タガログ語でのコミュニケーションに無理あるので、上辺上まるでみんなに馴染んでるかのように見せかけるだけで必死です。
当然、私以外に外国人がいないこのクリスマス会は全編タガログ語で行われます。私を誘ってくれた友達が、今日は自分が由香理を守るとでもいう感じで、ずっと傍にいて、必要に応じて英語に通訳してくれます。
彼女は日本に留学経験があるので、ある程度、外国語を覚えたてのころに、どこまでなら自分で理解できて、どういう情報だけは通訳してほしいのか、全編通訳をされたいわけじゃないってこと含めて分かってくれてます。現時点では、私のタガログ語よりは彼女の日本語のほうが上手です。もちろん普段は英語で会話しますけど。
私と友達が英語でしゃべってると、他のフィリピン人が、英語に苦手意識あるので自分は会話する自信がないと思って話しかけてくれなくなるので、「彼女タガログ語でも理解できるってば。分かるでしょ?」と、輪に入るのをためらってる他の人を無理やり引っ張りこんで私を紹介してくれたり。
社交的なれ社交的になれ、しゃべるんだ出て行くんだ、そう唱えながらなんとかこの場を無駄に過ごさないようにしたい、一人だけ外国人一人だけタガログ語分からない全盲がほぼ自分だけ…、それらの気後れする気持ち気にせずに一緒に楽しめる社交性がほしい、フィリピンのクリスマス会の分かやルールも分からないまま。
1回目から仲良くなるというのにはやはり無理があります。私がそこまで初対面とどんどん会話が弾むタイプ…というわけでもないのと、何しろタガログ語ができないのと、その他色々。でも同じ人に2回目会ったら、今度は以前からの知り合いのようにものすごく親しくしてもらえるんです。だから、1回目はとにかく覚えてもらえたらOKなんです。

 と言いながらも、最初に数人がカラオケで歌などを発表して、それからランチする時、私はけっきょく友達の隣に座って、ほとんど彼女としかコミュニケーション取って無い…、40人の中にいて、私の社会は彼女だけ…。
ランチの後ゲームになるのですが、ゲームのルールをタガログ語で説明されたのでは私はまだそれを理解できません。もう友達から離れられないですよ、次に何したらいいか分からず必死で付いて行ってる状態ですし、動き回るゲームで何しろ周囲は弱視で見えてますからね。
でも、ゲームの最中にグループを組んだり席順が入れ替わったりすることで、私に新たに二人の人が話しかけてくれました。いいえ、正確には、私のほうがうまく答えられなかっただけで、話しかけよう、仲良く鳴ろうと気にかけてくれた初対面の人は他にもかなりいるんですけれど。
 プレゼント交換は、たんに輪になってプレゼントを交換して一人一つをもらうのを想像してたんですけれど、どうやら違いました。何か番号を引いて、それに合ったプレゼントが当たるのですが、なぜか人数分より沢山あって、私は三つもらいましたし、一つしかもらってない人もいます。
あれがけっきょくどういうルールだったのか、なんで私は一つしかプレゼントを持って来てないのに、帰る時には三つもらってたのか…、ルール説明が全部タガログ語なのでこの辺りが理解できてないんです。もしかしたら外れくじなどがあって、プレゼントをもらえない人がいるのでしょうか。

 さて、このクリスマス会をメインで主催して視界を努めていたのが、二人の弱視でした。両方私の友だちで、一人は以前音声の出る聖書を買いに行った時の、RBIの受付担当の女の子です。
もう一人は、…何歳でしょうね、たぶん私より3歳くらい年上の男性で、一応以前2度会ったことがあります。今回私の面倒を見てくれている友達の友だちです。私とその友達の二人を手引きして外を歩けるくらい、かなり見えてる弱視です。
 クリスマスパーティーの帰り道、一緒に帰っていた弱視の女の子(私より年下)が、突然言い出します。「ねえ、彼のことどう思う?彼絶対由香理のこと好きだよ」
「は?冗談でしょ」その主催者の一人だった男性のことを言ってるのですが。あくまで友達の友だちでしっかり関わったこともほぼないので、私にとっては意識外です。
「絶対そうだって。だって、パーティーの間しょっちゅうあなたを見てるし、その表情とか由香理への話しかけ方とか接し方とか見てたら、絶対好きだって」
だそうです。次に会う機会があった時に変な意識をするからやめましょう。

 一応、その人の名誉のために言っておくと、悪い気はしないくらいレベル高いですよ。男性評価はたぶんそうとう厳しい私が、彼なら対象範囲に入ってきます。あそこに40人、男性が20人弱いたとしたら、その中でもっともレベル高いと言っても過言ではないです。
というわけで、そんな人に相手にしてもらえるなら私にはもったいないくらいなのですが、残念ながらたぶんその子の勘違いかと思われます。
フィリピン人って、とくに主催者になると、全員が楽しめるように、何も困ったり不都合がないようにってものすごく気を使うんですね。あのメンバーの中で、一人だけタガログ語が分からなくて全盲で、明らかに1番挙動不審だったのが私です。
だから、ランチの時も私にちゃんと食べ物が行きわたってるかどうか、ゲームの時にちゃんとグループ分けに移動できてるかどうか、出し物の時に私が歌の意味を理解してるかどうか、ちゃんと楽しめてるかどうか…、確かにその男性が度々気にかけて、様子を見に来てくれてました。
まあでも、それだけのことです、誰もが楽しめるようにという主催者の気づかいですね。
 私は、みんながどんなに探しても、ここ3年以上残念なくらいスキャンダル話しはいっさい出ないので…、そろそろ一部の人にこいつに彼氏できないの(それどころか恋愛に興味がないの)大丈夫かって心配され始めてるので、たまにはこういうトピックも新鮮だろうと書いてみました(笑)

posted by Yukari at 01:06| Comment(0) | 日記

2015年12月09日

言葉の壁は心で超える

12月8日〜9日:

 10月半ばから始めたタガログ語のレッスンは、今でもちゃんと続けています。毎週、水曜日に朝2時間、金曜日に1時間、プロの先生が来てくださいます。3年前はただただ単語だけ覚えて、よく使うセンテンスだけを丸暗記して文法はほぼ知らなかった私ですが。
今では、教材に合わせて基礎から文法を学んでいますし、少なくとも2年半のブランク分は取り戻して、留学終盤のころのタガログ語力よりは、今の方が上だと思います。ただし、オフィスで働いてると同僚のフィリピン人たちは英語で通じるので、ついついてっとり早く英語を使ってしまうというか。
うちの家のお手伝いさんはタガログ語でしゃべるので、とにかく聞き取るほうはある程度できるようになったんです。でも、お手伝いさんは英語でしゃべらないだけで私が英語で言うのは完璧に理解してるので、けっきょく自分が話す時は英語になってしまって。
あ、ちなみに、ここで言う英語も、もはやフィリピンなまりなどをわざと混ぜた、欧米では恥ずかしくて話せないタイプの英語ですよ。以前も書いたことがあるかと思いますが、きれいな英語はお金持ちのしるし…、フィリピン人との間に壁ができてしまう言語です。
だから、イギリスにいた時は何とか背伸びしてネイティブに近づけよう、同じスピードで話そうと頑張ってたわけですが、フィリピンに来てからそれらを封印し、むしろどれだけ不慣れな感じで、あまり英語が得意じゃない感じで話すか…。最初はわざとやってたはずなのに、気づいたらもう今はそれが普通になってしまった悲しい現実。
間違いなく、フィリピンに来て半年、私の英語力と言うかスピーキングのクオリティは落ちてます。フィリピン現地バージョンと、外へ出た時の国際バージョンと、使い分けできたらかっこいいんですけどねぇ。

 タガログ語ですが、何と言うか理解はできるけれど、自分があんまり話せないの分かってるから、文法に自信ないから、タガログ語で言えるものも恥ずかしいから英語で言ってしまう…、正直これが続きました。
フィリピン人のほうも、相手がちょっとでも英語ができるなら、もう私のタガログ語に付き合うのがめんどくさくなって相手も英語で言ってくれるんです。それだと永遠に伸びないので、どうやっても英語じゃ通じない、自分がタガログ語で話すしかないっていう人と関わらないと、自分のタガログ語は伸びないぞと。
レイテ島で過ごした1週間は、タガログ語学習のモチベーションを上げるにはとてもいい機会でした。現地の人と直接話したい、もっと伝えたいことが有る、仲よくなりたいのに…、この歯がゆさや悔しさがないと本気で勉強しない。
 レイテから帰ってきてから、以前より少しタガログ語を使う機会が増えました、たとえ英語でも通じる相手であっても。やる気になったら、週2回のタガログ語レッスンの内容も、どんどん分かるようになってきた、何だか最初の壁を越えたというか、タガログ語というものが何だか分かるようになってきた。
さらに、先月からマニラ盲人教会に行ってタガログ語しか通じない人たちと触れ合う機会を増やしてるのと、今秋からは週に3人くらいに怪しいタガログ語で電話してますよね。

 昨日は、ジュニア新書にも登場した、アーリンに電話したんです。3年前に折り紙セッションに参加していた人の一人で、手先がとても器用だった全盲の女性です。現在は地方に帰っています。
自分がタガログ語話せないから、電話に苦手意識があるので今まではテキストメッセージのやりとりだけだったのですが、昨日初めて電話して、3年ぶりに声を聞きました。「久しぶりぃ、会いたいよぉ」と言われながら。
私が相手なのに容赦なく全編タガログ語で色々話しかけてくるアーリン、ごめんなさい、半分くらい分かりません(笑)、ってかかなり想像で意味を理解してます。
いいえ、理解はできるんです、ただ私が自分がしゃべるとなると、言いたい内容をどういう言葉使えば自分の語彙力で言い表せるかをまず考えて、それからタガログ語のセンテンスを組み立てて、言葉に出す…となると、通常の会話のペースでは付いて行けないくらい時間がかかります。
だから1対1じゃないとうまく話せないんです、複数だと、私が何も発言しないうちに誰かがしゃべって会話が進んでしまう。理解してないわけじゃない、発言に時間がかかるから、私の答えを待ってほしい、同じことをもう1度言ってほしい…。
でも私が必至で何か言おうとしてること、必死でコミュニケーション取ろうとしてることは明らかなので、フィリピン人たちもものすごく優しく必死で理解しようとしてくれます。

 アーリンとしゃべってた時も、いつか自分の住んでる地方に遊びに来てねと言われて、マニラからそこまでどれくらいかかるのって聞きたかったんですね。でも私は、「どれくらいかかるの」の言い方を知らないんです。
自分が知ってる語彙でその意味合いが通じる方法を頭フル回転で考えた結果、思い当ったのが「何時間?」でした。何時間と聞けば、どれくらいかかるのかって聞いてるんだろうなってことは想像できますよね?
タガログ語で何時間って、「イラン・オーラス」と、直訳すれば、How many hourって言うんです。で、それを聞こうとしたのに、「イラン」の疑問文は出たものの、次の時間という言葉がとっさに出てこなくて、
「イラン…、イラン…、えっと何だっけ」みたいになってしまった私。するとアーリンが、「オーラス?」と聞いてくれました。そして、マニラからだと片道5時間くらいだよと答えてくれます。
私、どれくらいかかるが言えてなくて、何時間と聞くセンテンスさえ、「How many」だけで止まってるのに、そこから何時間を予測して、私の聞きたいことに答えてくれたアーリンの理解力。

 こういうのはよくあって、センテンスが文法上正しいようにちゃんと組み立てるのには5秒以上かかるので、咄嗟の会話ではうまく出てきません。文章なら書けるんですよ、後で思い返せば自分はその単語知ってるのにって。
そういう時、会話の中で、とにかく「いつ?」とか、「どこ?」「誰?」など、疑問文だけを先に出します。そうすれば、相手が私の言いたいことを読み取ってくれて、
「どこで買ったかって?」とか、「いつ帰ってくるかって?」などとセンテンスの続きを引き取ってくれて、「うんうんうん」と必死でうなずく…みたいな。私これってほぼしゃべってない(笑)、とにかく必死さだけは伝わってるはずです。
 こういうの相手でも、クリスマスパーティーに誘ってくれたり、電話で20分も色々話してくれたり、ばかにすることも、めんどくさがることもなく、相手にしてくれるみんなに感謝です。
posted by Yukari at 23:20| Comment(0) | 日記