2015年11月04日

温かい協力に感謝

10月30日:

 以前の記事に書いたように、私にとってはスピーチは反省点のほうが多くて…、いや何よりあの1000人に声を届かせるための、時差とエコーのあるマイクとスピーカーのせいですよ…、難波ともあれ、力の60パーセントも出せなかったというか、すごい悔しい思いとやっちゃった感が残る、やり直したい思いでなのですが。
それでも、私を招いてくださった先生からは、温かいお褒めの言葉をいただきました。スピーチが終わって席に戻った後すぐ、私のところまで来てくださって、「とてもよかったよ、参加者は触発されたと思う。来てくれてありがとう」と握手してくださって。
日本語でinspireって何て言うんでしょうね?辞書の訳語は触発ですが何か違う…、正確にはこの先生は、「teachers were really inspired」っておっしゃったんです。触発と言うより、よし自分も頑張るぞ、視覚障害児に教育の機会を保証するために全力で協力するぞってみんなが思ってくれた…、そういう意味なんですけれど。

 多くのフィリピン人は、写真を撮るのが大好きです、景色とかもそうですが、自分や友達、その日出会った人といっしょに写真撮るのが大好きです。そして、そういういろんな人が写ってる写真をフェイスブックにアップしたり、タグ付けするので、日本人としてはびっくりする人もいますが…、これはもう文化や認識の違いですね。
自分の講演や質疑応答の時間が終わって休憩時間に入ったら、さっそく参加者たちに取り囲まれて、写真撮影会が休憩時間永遠と続きます!!「写真いっしょに撮ってもらってもいいですか?」と女性の先生方数人のグループに言われ、1度引き受けたら最後(笑)
もう列を作って待ってますから、次の人たち。「私たちもいいですか?」「もう1枚いいですか?」「今度は二人だけで2ショットも」「もう1枚、私のカメラでも撮って」…などなど、1グループあたり5枚くらいは撮影しますよね、人や配置を入れ替えてみたり。
私の認識だと、フィリピン人たちがこうして写真撮りたいと言ってくれるのは、友達あるいは親しい存在だと受け入れられた証です。だから全力で応じます、そろそろ顔が筋肉痛になりそうな、絶対100枚以上撮られてます。
 余談ですが、オロンガポでの会議から帰ってきてから、私のフェイスブックにフィリピン人の名前からの友だち申請がいっぱい来てます。たぶん、この時写真撮った誰かで、写真をシェアしてくれようとしてるんです。
実際今、一人の人が当日の写真をタグ付けしてくれたんですけれど、やっぱりその人だけで10枚の写真をアップしてますからね、絶対100枚どころじゃないです、この日私が撮られた写真。

 中には、「私は小学校の教師をしているけれど、うちの学校からドロップアウト(退学)していった視覚障害児を二人知ってます。ぜひ未就学視覚障害児を対象としたあなたの事業に協力したいから、名刺をいただけますか」と言ってくださる先生や、
「あなたの講演からとても大切なことを学びました。私たちは障害児教育を考える時、設備やカリキュラムを改善したり、教員をどうトレーニングするかなど、学校に通ってきている障害者のことしか考えて無かった。
でも本当は、9割以上の視覚障害児が未就学で、学校に通えていない障害者のほうがマジョリティなんだってこと。その人たちにフォーカスせずに障害児教育の状況は改善されないんだってこと。私たちの盲点だったところを、あなたは教えてくれた」と言ってくださった先生。
「適切な教育を受ければ、全盲でも進学し就職できるという事例を示してくれた。また未就学視覚障害児の声や状況を話してくれたことで、教育を受けた視覚障害者と、受けられなかった視覚障害者にどれほど顕著な違いがあるかという事例を示してくれた。視覚障害児たちの社会参加を促進するために、一人でも多くの障害児が学校に通えるように、教員として全力を尽くしていきたい」と言ってくださった先生。
「障害者でも適切な教育やトレーニングを受ければ、ここまで社会参加ができる、ここまで能力を伸ばせるということを、もっと沢山の人にもっと世の中に知ってもらいたいから、ぜひうちの学校に講演に来てもらえないか」というお誘いは、3件ほどいただきました。

他にも、廊下での人ごみの中での立ち話だったので、大まかな内容しか理解できていないのですが、ある団体の男性の話によると。オロンガポにある団体で、障害児の社会参加促進活動をしていて、根本的な目的は私とものすごく似ていると思うと言ってきてくれた人がいて。
その団体の活動は、一般の高校生から1週間障害児のお兄さんお姉さんとして面倒を見てくれるボランティアを募り。障害児の親たちには、お兄さんお姉さんたちが絶対に責任を持って付添うから、お願いだからお宅のお子さんを1週間団体に預けてほしいと説得して回り。
そして、障害児とそのボランティア高校生たちを対象に1週間のお泊り教室(キャンプ?)みたいな行事を行っているそうなのです。家から出たことがない、学校に通っていないことが多い障害児にとって、外へ出る機会、家族以外の人と触れ合う機会が必要だ…と。
障害児を持つ親にとっては、自分の子を囲い込むのではなくて、自立させる子離れが必要だ、そして高校生たちには障害児と直接関わる経験が必要だ…と。こんな活動をやってるフィリピン独自の団体があったんですね。
 さらに、こういう行事を通して、学校に行っていない障害児を見つけた場合、教育委員会や各障害別教育関連NGOなどに連絡しているらしくて。だから、もしメトロマニラ首都圏で未就学の視覚障害児を見つけた場合、連絡するリストの中に君を入れておくからと言ってくれました。

 日本だけじゃない、フィリピンの先生方やNGOの中に、視覚障害児教育促進活動に協力したいと言ってくれる人がこんなに沢山いること。私の拙いスピーチが、これだけ温かく受け入れていただけたこと。
フィリピンの視覚障害児教育の未来は、社会参加の未来は…、思ってる以上に明るいんじゃないか、世の中は受け入れる準備ができてるんじゃないかって、日本もフィリピンも気持ちはいっしょ、その協力に、ただただ感謝です。
posted by Yukari at 00:23| Comment(0) | 日記