2015年10月12日

人が集まってくれる不思議

9月28日:

 中学校での講演を終えた後は、近くの市民センターみたいなところに移動して。和室で、座机を囲む、最大で30人ちょっとくらい入れる部屋で、アットホームな講演会というのか雑談界というのか。
午後1時から3時くらいにかけては、お弁当やお菓子などを囲みながら、児童文学の読書サークルの皆さんとお話ししてました。メンバーのほとんどが、近くの小中学校の司書さんや、図書館職員などで、皆さん私たちの本を読んでくださっていて。
何だかよく分からないんですけれど、私たちの本を読みこんで色々質問などメモしてきてくださってて、その質問に答えて行く感じです。

 3時から30分だけ休憩時間です。と言っても、これはあくまで、同じ部屋で3件目の講演があるので、人が入れ替わって準備をするための時間です。
にしても、私眠い、本気で眠い。えっとだから、体力の限界はすでに日本に帰国する前くらいから来てて、限界なんてもう一昨日くらいで通り超えて、昨日くらいからもはや気力で動いてるんですってば。
今日が講演なのはある意味救いです、今の私は、自分がしゃべってないと人前でも日中でも寝てしまいそう…、本当に、気を抜いたら意識がふっと飛んでいきそうです。
1件目2件目と体力を消耗し、もはや3件目始まる前は、私は自分がしゃべっててでさえ寝るんじゃないかと、通常通りを保つ自信がなくなってきました。失礼すぎる、私にとっては3件目でも、集まってくれる人にとっては初めての講演で今日このためにここに来てくれているわけで…、起きろ、起きろ、起きるんだ、あと数時間。
部屋の中にポットがあって、温かい飲み物を選べたので、迷わず眠気覚ましにコーヒーをもらいました。まあ、3件目も、いざしゃべり始めたらスイッチが入って眠気など吹っ飛ぶので、通常通りなんですけれど。

 3件目の講演は、三つの団体が集まってくれていて、学習障害や発達障害があるお子さんを持つお母さんたちの団体などもありました。また、色々と私がこの日広島へ来るという話しが様々なルートで流れて、特別支援教育学科の大学生まで来てくれてました。
全員で30人ちょっとなのですが、むこうの人たちも互いに初対面が多いようですし、当日飛び入り参加の人、日頃はめったに公の場に出てこない人なども中にはいたようです。
相変わらず人を引き付ける魔力…というか、この不思議な集まりは何でしょう?互いに別に知り合いでも同じ団体に属してるわけでもない、年齢も様々な人が、人伝いにこんなに集まってくれました。
幼稚園から小学校低学年くらいのお子さんといっしょに来ているお母さんも数人だったので、もしかすると講演中に退屈した子どもたちが騒ぎ出すかも…というのは、事前に言われていたんです。
それが!私が何よりびっくりしたのは、子どもたちが、そこにいないんじゃないかと思うくらい2時間最後までとっても静かだったこと。私はけっして子供向けに話していなくて、いつもどおりの言葉を使っているんですけれど、小学校に入りたてくらいの子たちも、最後まで座ってじっと聞いててくれたんです、これにはお母さんたちもびっくり。
講演の後は、小学校2年生くらいの子たちが、手で針を触って見る私の時計などに興味を持ってやって来てくれたり。子どもたち、なにげにこの2時間の話し、本当に聞いてたのねっていう…、たぶん面白くはなかったはずなんですけれど。

 特別支援教育学科の学生など、障害児教育を専門としている人も一部には混じっていましたが、同時に障害児を持つお母さんや、何となく誘われて参加してくれたまったくの一般人など、参加者の顔ぶれは本当に様々でした。
私の本を読んでくださった人も、そうでない人も、色々なので、基本は全てを0から話します。障害児を持つお母さんたちが多いので、自分がどういう環境でどういう教育を受けたかや、進路選択の理由、就活の時の工夫などを中心に。
いつから生意気に自分の経験語る立場になった…、いや自分の経験としてシェアするのはとりあえずいいとして、それを見本にしろとかそれが正しいとは私は一言も言ってませんよ、言ってませんからね。

こうして、人前で話す機会が増えてきた私が今後気を付けていかなければならないのは、私の意見が、個人的なものなのか、視覚障害者の一般的な意見なのかというのをはっきりさせなければいけないこと。一般人にとって、私=視覚障害者の代表…みたいな捉え方をされがちですから。
同様に、視覚障害の後輩たちや視覚障害児を持つご両親に対しても、自分だけの経験なのか、視覚障害の先輩方が一般的に思っていることなのか、自分だけの工夫なのか代々受け継がれている工夫なのか…、その辺りをはっきり区別して伝えなきゃいけないなと思ってます。
とりあえず、障害児を持つ親御さんに言えることは、未来は意外と大変じゃないということ。奨学金?…取れますよ。就職先?…あるから大丈夫です。
心配がいつのまにか「うまくいくはずがない」の怪獣に成長して、その怪獣の恐ろしさゆえに子どもの存在を否定するほうに回ったのがうちの親ですからね。届かないブドウを酸っぱいと決めつけた狐といっしょで、うまくいくはずがない子どもは邪魔だと決めつけた。
そういう、うちの親第2号の被害に遭う障害児をもうこれ以上増やさないためにも、障害のあるお子さんを持つご両親には、障害のあるなしと人生の大変さはそんなに関係ないという事例を見てほしい。
別に障害者の人生そんな暗く無い、可能性は自分で探して掴む者、親からできないとレッテル張られて自信をなくすことのほうがよっぽど怖い、どんな人にも「できること」ありますから…、大丈夫。
障害児を、本当の意味で「障害者」に育ててしまう親を、もう生み出さないような活動も、私がすべきことの一つだなって思いました。
posted by Yukari at 23:03| Comment(0) | 日記